この茶室で珍しいのは、中板を亭主畳と客座の間に入れないで、二枚の客畳の間に入れた事である。客は中板を挟んで座る事になるし、純粋な客座は一畳しかないとも言える。中板を隔てた下座の一畳は相伴か半東の席に当てる事にもなるからである。炉は向切で、その前かどに赤松皮付の床柱が立つ。そして風炉先に当たる床脇の壁が大きく塗廻し吹抜かれていて、点前座の入隅には、釘箱棚が仕付けられている。天井は床前の客座の上が化粧屋根裏、床柱の通りに竹の壁留を入れ、中板から奥へ網代天井を張り、点前座上を蒲の落天井としている。
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