建築

~書院主室御殿~

間口4間、奥行4.5間の堂々たる桧(尾州)造りの座敷きである。柱は、4.5寸面2分、内法高6.3尺、長押見付3.5寸、見込0.7寸、天井高は廻縁下端まで10.7寸である。壁面は一面に張付壁で金粉で連山と雲を描いている。当時流行の見事な障壁画であるが、筆者は不明である。中央2間を床とし、向かって右を琵琶台、左に地袋と天袋を設ける。

 

~書院主室の脇床~

地袋を少し後退させ、床框を矩折りに廻している。地袋は天板は欅摺漆、束は黒柿、黒塗縁の小襖を四本たてる。天袋は間口を少し縮めやはり黒柿の釣束を用いている。しかし地袋も天袋も側板は杉の木地である。天井には神代杉の網代形の寄木が張られている。

 

 

~御殿床脇天袋~

束黒柿摺漆塗。型押し出し。

~主室・琵琶床~

琵琶台の束は黒柿で摺漆塗、正面は羽目板には優美な蒔絵(清流に川蝉)が施されている。これは大垣昌訓(1865~1941)のことで、伝統的な加賀蒔絵の手法を保持した最後の人といわれた名工である。長伸に打たれた釘隠しは尾長鳥の図案で各々姿態を変えている。

~廊下天井~

座敷きの東側の廊下天井は、竿縁天井であるが、蒲鉾形に起りがつけられている。和室の廊下に、珍しい意匠といえよう。この廊下の突き当たりが移築された御殿の書院である。

~縁側廊下~

縁との境には長押上に少し小壁をみて欄間をあける。欄間には格子はない。障子の組子は葭に見立てたのであろうか、意匠を砕いている。縁先には高欄を付している。全てが黒柿で出来ている。縁は欅の寄木張。

~御殿欄間~

次の間境の欄間には木瓜形の枠の中に彫刻を入れている。左には雲間に月を配し、右には枝を這わせた松樹である。左右で一つの構図に埋められ中央部に多くの余白を残している。左右それぞれ枠と一体に一木で彫刻されている。見事な松板である。この欄間彫刻が優雅な障壁とともに、この書院の意匠の主役を演じている。

~応接間~

~書院階下~

書院の階下は二室からなり、西から南へ縁側が廻っている。主室は十二畳半、正面に一間半の床と一間の床脇を構えている。角柱、内法長押付の座敷で、天井は廻縁の上に重ね縁をおいている。床柱は杉の四方柾、框は真塗、床前畳は大きく一枚畳を敷いている。床脇は地袋だけで正面に円窓をあけ、障子の組子の配置など意匠を凝らしている。

~御殿照明~